イエローとグリーンのバイカラータイプ
コレクターのための宝石、“ブーシャイト（Buchite）”です。

ドイツの鉱物学者、Baron Christian L. von Buch さんによって名付けられました。

アウイナイトの産地で知られるドイツはアイフェルを産地とするものですが、
そのアイフェルマウンテンはドイツとベルギーとの国境（付近）に位置しています。

アイフェル地方は火山郡があったことでも知られる地域で、
（厳密には数万年単位で休止中ということで、将来はまた活動するとも。。）

火山、溶岩の高温変成作用（低圧）によって生まれるもので、
オブシディアン（黒曜石）とよく混同されますが異なるものです。

隕石によって生まれるモルダバイトやリビアングラスとは異なり、
隕石の衝突によって発生する高温と、溶岩による高温との温度差や
圧力の違い、また周りの成分など様々な環境の違いによって全く異なるものが生まれます。

このブーシャイトはアイフェルで採れた天然のガラスであることから
“アイフェルガラス”などと呼ばれることもありますが、
およそルースとして使用出来そうなほどの品質のものは殆どありません。

極稀に綺麗なものが採れた時にはこちらのルースのようにカッティングされて
ジュエリー用ストーンとして使用されることがあるようです。

同じアイフェルを産地とする稀少石のアウイナイトも大きな結晶は
現在は殆ど流通していない状況ですが、同様に
このブーシャイトも綺麗なものが採れてカットが出来たとしても、
０．１ｃｔ前後のクラスのもので、それすらも殆ど見かけることはありません。

０．４ｃｔというサイズにしてこの美しさを見せる天然ガラスの宝石
アイフェルガラスことブーシャイト。

殆ど流通量の無い、隠れレアアイテム的な存在の宝石です。